セ・リーグでダントツ最下位と苦しんでいるヤクルトが、
中日を相手に10点差をひっくり返す奇跡の大逆転勝利をしたのには、
多くのプロ野球ファンが驚いたと思います。
ついこの間まで、14連敗をしていたチームとは思えない、
まるで別のチームのような打線の繋がりでしたからね。
まあ、元々ヤクルト打線は強力なのはわかっていたけど、
まさか10点差を逆転するとは全く予想していませんでした。
だって、今年のヤクルトは、例年以上に怪我人が続出しているから、
優勝なんて狙えるようなチーム状態じゃないんですよね。
打線では、レギュラーの川端、畠山、雄平が今も離脱しており、
2年連続トリプルスリーの山田は、信じられないような絶不調。
それに、投手では、守護神の秋吉の離脱がかなり痛いと思います。
苦肉の策として、先発投手のエース小川を抑えに配置転換するも、
慣れてない抑えに戸惑って打たれまくる始末。
さらに、近年のドラフトの失敗が大きく響いて、
1軍、2軍ともに選手層が薄く代わりとなる選手があまりいません。
ちょっとずつ若い選手は育ってきてはいますが、
1軍レギュラーの代わりを務めるにはまだ荷が重すぎます。
そんな最悪のチーム状態にもかかわらず、
ヤクルトは、10点差をひっくり返す大逆転劇を演じたんです。
今の1軍選手の中には、レギュラーの離脱によってチャンスを貰った
若い選手もたくさん頑張って試合に出場しています。
8回の14打者による8安打8得点の集中打では、
山崎や奥村といった未来のヤクルトを背負って立つ若手が、
中堅、ベテラン選手に混じって頑張っていました。
この日の10点差を逆転した試合での経験は、
若手にとってかならず将来の野球人生に活きてくるはずです。
試合を決めたサヨナラ決勝ホームランを放った
ベテランの大松選手が奮起するプレイも良いお手本になります。
今のヤクルトは、丁度世代交代をしている時期なので、
この日の10点差の逆転劇が、若手の成長の糧となるだけでなく、
後半戦に向けてチームを良い雰囲気にするんじゃないかと思います。